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広島高等裁判所岡山支部 昭和24年(を)158号 判決 1949年11月15日

被告人

暮石淸一

主文

本件控訴を棄却する。

当審での訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

前略

控訴趣意第一点について。

記録を精査するに原審判決書は二葉のタイプライター印書から成るがこの第一葉に第二葉との間には契印を缺除し從つて右判決はその点に於て旧刑事訴訟法第四百十條第二十一号所定の方式に違反して居るもので、旧刑事訴訟法では絶対的上告理由となつて居たことは所論の通りである。しかし現行刑事訴訟法では旧刑事訴訟法第四百十條第二十一号の判決書に判事の署名若は捺印又は契印を缺いたときを控訴理由として居ないことは刑事訴訟法第三百七十八條の規定に照し明らかでその趣旨から見てたとい判決書に契印が缺如して居るとしてもその形式及内容に照し正当の連絡がありその間に落丁又は後旧の剥脱等のないことが認められるときは契印遺脱の一事を以て直に該文書を無効となすべき趣旨でないと解すべきである。

しかるところ所論の判決書は僅か二葉で判決書の形式及び文詞に照し第一葉と第二葉とが正当の連続があることが明らかであるから右判決書は所論の契印の缺如があるにも拘らず完全一体をなすものというべきであり直にこれを無効とすべきいわれはないから論旨は理由がない。

中略

仍て刑事訴訟法第三百九十六條により本件控訴を棄却し訴訟費用は同法第百八十一條第一項により主文の通り判決する。

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